2011年ボカロ曲10選

まず、去年の10選を紹介したいと思います。これは単純に好みで選んだので、この選曲が気に入ったら以後このブログをひいきにしていただきたいですwこちらがマイリストです。

ボーカロイド渋谷系の夢を見るか?

マイリスタイトルは気にしないで下さい。以下、各曲紹介です。


初音ミク】つれてって / ehamiku【オリジナル】

この曲が気に入ったらこちらも-オリジナル・ラヴ,Cornelius(初期),Jamiroquai,Incognito

エハミックさん作の渋谷系アシッド・ジャズ。イギリス人のアフロ・アメリカン音楽への憧れが生んだアシッド・ジャズ。それを日本でやっていたのが渋谷系。それを今、ネット上で初音ミクが歌うのがこの曲。フェイクのフェイクのフェイクという訳のわからなさw
そんなことはどうでもよくて渋くてお洒落でかっこいい曲です。皮肉めいた歌詞と上記したサウンドの件もあわせてこの曲は90年代パロディーソングなんじゃないかという気がします。


【house】 void sky 【雪歌ユフ】

この曲が気に入ったらこちらも-若干テイスト違う気がするがmoodymanntheo parrishは聴いてほしい。

tom_atomさん作の小洒落たハウスナンバー。ハウス・ミュージックドラッグ説なんてのがあるらしいですが、それを信じたくなるような一曲。黒人的でファットなグルーヴ(定型句)が魅力ながら泥臭くならず、ユフが上品さとサイケデリアを演出してくれてます。
この曲のユフの音色はすごく気持ちいいですね。吐息の部分がエレキギターの歪みに似た役割を果たしているような気がします。


鏡音リン】 Equation×** Full 【オリジナル】

この曲が気に入ったらこちらも-imoutoid,一時期のm-flo

椎名もた(ぽわぽわP)さん作の2ステップ。この曲のハイハットは今は無き天才imoutoidさんのファインダー(imoutoid's Finder Is Not Desktop Experience Remix)を彷彿とさせて、それだけで俺得ですwこういうハットの使い方が一つのジャンルになればいいとすら思っていますw
各音の粒立ちがよく、多くの音が使われいるのに(配置の妙もありますが)スッキリ聴こえるのがいいですね。
偶然の出会いと別れについての詞はキャラクター、ボーカロイドであるリンちゃんが歌うと複数の可能性に存在できる彼女と一つの生を生きることしかできない僕達人間とのすれ違いを歌っている様な気がします。


巡音ルカ(ラップもあるよ)】 Passion 【オリジナル曲】

この曲が気に入ったらこちらも−安室奈美恵,DOUBLE

sat(頑なP)さん作のクールなR&Bナンバー。やはり聴いてほしいのは英語歌唱とラップ・パートですね。アダルトな雰囲気もあわせてルカの能力を遺憾なく発揮しています。王道のUSR&Bってよりは全体的にラテンっぽい雰囲気があります。ボカロ音楽界ではこういった洋楽志向のサウンドは珍しいので今後もこのPさんには期待しています。


【GUMI】 Tu Tic Tac 【オリジナル曲】

この曲が気に入ったらこちらも-なぜか宇多田ヒカルを思い出した。

外国語ボカロ曲第二弾、Ankariさんの作品です。R&B調ポップスをスペイン語で切なくGUMIが歌っています。派手さはないんですが来て欲しい所に来て欲しい音が配置されている安心感があって、その上に耳慣れないスペイン語が乗り、いいアクセントになってます。音圧が物足りない感じがしますがハイ控え目の音は柔らかくて耳心地がいいです。


【UTAUオリジナル】冷たい記憶【雪歌ユフ連続音】

この曲が気に入ったらこちらも-むしろ教えてください。

シュルる(シュールレアリスムを正しく理解するP)さんのP名通りシュールな一曲。歌詞、サウンドともにふわふわしていてなんとも掴み切れないがとても魅力的で繰り返し聴いてしまいます。心地よい宙吊り感覚とでもいえばいいんですかね。不思議な曲です。


ゆれりるら/雪歌ユフ(UTAUオリジナル)

この曲が気に入ったらこちらも-Owen,David Grubbs

mia子さんのしみるELECTRONICA。まさかのユフ三曲目w気がついたら残ってたんです。積極的に推してるわけじゃないんですけどねw
エレクトロニカと言いつつも歌心に焦点を当てていてじっくり聴かしてくれます。「ゆらゆら〜」のパートのスウィング感とブリッジパートの力強さの対比がお互いを引き立てあってますね。伴奏のピアノとエレクトロニクスも柔らかくて優しくていい感じです。


初音ミク さようならガントリーマダム

この曲が気に入ったらこちらも-Autechre,OVAL

こちらはにほへさん作のボカロインスト曲です。ミクさんのハミングやメインのシンセなんかは破綻なく安定していてパルスを感じさせる一方で、楽曲を支えるはずのリズムパートが一定のビートを刻まずにカットアップされ気ままに振舞い、むしろ線的な繋がりを示しているような気がします。そういった理由からか、この曲からはメロディーパートとリズムパートの役割が逆転しているような印象を受けてしまいます。刻一刻と様相を変える音の姿は万華鏡を眺めているかのようで美しいです。


初音ミク】マッシュルームマザー【オリジナルPV】

この曲が気に入ったらこちらも-感覚的にはTOM-H@CK作品が近い気がする。

ピノキオPさん作の中毒性の高い電波ロック。サウンドは様々なジャンルの要素が散りばめられながらもポップにまとまっていて、その上に童謡のようなメロディーが乗ってます。差別や価値観の相違などのシリアスな問題を扱っていながらユーモラスに聴かせる歌詞も秀逸です。いろいろな部分でハイブリッドなバランス感覚が見事。パチモンがオリジナルに迫るクオリティーを獲得したらこうなった、みたいな曲ですね。


初音ミク】 チューとリアル 【オリジナル曲・PV付】

この曲が気に入ったらこちらも-相対性理論,たま,neco眠る

今日犬さんのちょっぴり切ない恋の終わりの歌。歌詞中で語られるあなたとわたしの立場や気持ちのズレ、悲しい歌詞内容とすっとぼけた曲調とのズレ、歌と伴奏のピッチのズレ。いろんな部分で強調されるズレが聴く者とミクさんとのズレを浮き彫りにしていきます。悲しみが伝わらないことが悲しいという気持ちにさせられます。こういった空虚さはボーカロイドで表現するのにピッタリですね。
あと、ガムランっぽいっていうか、エキゾチックなリズムも素敵です。



以上が2011年ボカロ曲10選でした。
軽い気持ちで書き始めて、ここまで時間がかかるとは思わなかったwもう、一月も終わるっつーのw
いやあ、物を書くというのは大変ですね。ただ、曲について書くことで初めて気づくことも多かったので実りはあったかなと。
あとはこのエントリーを読んでくださった皆様が動画のリンクをクリックしてくださるのを祈るばかりです。


twitterでP名間違いの指摘があったので修正しました。